業務ツールを作るとき、一番大事なのはコレです

2026.08.08

「便利になると思って、ラクになると思って導入したのに、結局手間増えてるじゃないか!!!」

これ、めちゃくちゃよくある話なんですよね。

特に、業務効率化のためにクラウドサービスやAIツールを入れたとき。

導入前は、

「これで入力作業なくなるじゃん」
「毎月かなりラクになるかも」
「この作業、もう自動で終わるじゃん」

みたいに期待するわけです。

で、いざ使ってみると、

「いや、結局確認するんかい」
「ここ手で直すんかい」
「むしろ工程増えてない?」

みたいなことが起きます。

僕も経理作業で、まさにこれを経験しました。

あるクラウド会計サービスのスマホアプリに、レシートを撮影すると内容を読み取って、自動で仕訳候補を作ってくれる機能がありました。

「お、これならレシート処理かなりラクになるじゃん」

と思って、実際に30件ほどまとめて撮影してみたんです。

結果。

30件中29件、手作業での修正が必要でした。

ほぼ全部です。

このときは普通に、

「これなら自分で入力するのと変わらないじゃねえか!!」

と思いました。

もちろん、これは僕が使ったときの一例です。
ただ、この経験から「高機能なツールを入れること」と「実際に仕事がラクになること」は別なんだな、とかなり実感しました。

じゃあ、既存のサービスが自分たちの業務に微妙に合わないとき、どうするのか。

そこで選択肢に入ってくるのが、必要な仕事だけに絞って作る専用業務ツールです。

市販ツールが高機能でも、自分の業務に合うとは限らない

市販のクラウドサービスって、基本的にはかなり優秀です。

機能も多いし、導入したその日から使える。自分でサーバーを用意したり、保守したりする必要もありません。

僕自身も普通に使っていますし、既存のサービスで十分解決できるなら、わざわざ専用ツールを作る必要はないと思っています。

ただ、一つ難しいところがあります。

たくさんの会社で使えるように作られているからこそ、自分たちの業務にピッタリ合うとは限らない。

ということです。

例えば、

「この入力欄、うちでは使わないんだけどな」

「毎回この画面を経由しないといけないの、ちょっと面倒だな」

「あとこの処理だけ自動でやってくれたら完璧なのに」

みたいなことって、結構あると思います。

もちろん、一つひとつを見ると大した話ではありません。

クリックが2回多いとか、ちょっとコピペが必要とか、その程度だったりします。

でも、これを毎日やるとなると話が変わってきます。

1回数分しかかからない作業でも、それが毎日、毎月と続けば結構な時間になります。

しかも地味に面倒な作業って、時間だけじゃなくて集中力も持っていかれるんですよね。

「またこれやるのか……」

みたいな。

こういう小さな違和感って、慣れてくると「まあ仕事ってこういうものだよね」で流してしまいがちです。

でも僕は、むしろこの「ちょっと面倒」が業務改善のヒントになると思っています。

市販ツールが悪いわけではありません。

単純に、そのサービスが想定している仕事のやり方と、自分たちの実際の仕事のやり方が少し違う。

だったら、そのズレが大きい部分だけ、自分たちの業務に合わせた仕組みを作ればいい。

専用業務ツールを考えるときは、僕はまずここから見るようにしています。

「機能が多い」と「使いやすい」は別

業務ツールって、機能が多い方がなんとなく良さそうに見えるんですよね。

「顧客管理できます」
「請求書も作れます」
「チャットもできます」
「分析もできます」
「AIも入ってます」

みたいに並んでいると、

「なんかすごそう」

ってなります。

でも、実際に使う側からすると、必要なのは「何でもできること」じゃなくて、

自分がやりたい仕事が、迷わず早く終わること

だったりします。

例えば、ある業務が

「CSVを読み込む」
「必要な情報だけ確認する」
「形式を整える」
「別のシステムに登録する」

という流れだったとします。

これを毎日やっているなら、この4つだけを自動化するツールでも十分価値があります。

顧客管理はいりません。

チャットもいりません。

勤怠管理もいりません。

今困っている作業がラクになれば、それでいいんですよね。

僕自身、開発するときは「何を追加するか」より、

「これ、本当に必要?」

と考えることが結構あります。

機能を増やせば増やすほど、画面は複雑になるし、使い方を覚えることも増えます。

だったら、毎日使う機能だけを残して、できるだけシンプルにした方がいい。

業務ツールに関しては、僕はこの考え方の方が好きです。

専用ツールなら、本当に必要なところだけ作れる

専用ツールの一番大きな強みは、やっぱりここです。

自分たちの仕事に合わせて作れる。

例えば、

  • 必要な入力項目だけ表示する
  • 普段使っているフォーマットをそのまま使う
  • よくやる処理を1クリックにする
  • 人が確認するところだけ分かりやすく表示する
  • 自分たち独自のルールを組み込む

みたいなことができます。

市販サービスの場合は、ある程度「人がシステムの使い方に合わせる」必要があります。

でも専用ツールなら、その逆にできます。

ツールの方を、人の仕事に合わせる。

これ、毎日使うものだと結構大きな違いです。

「この順番で処理した方が分かりやすい」

「この項目は最初から入っていてほしい」

「ここだけは必ず人が確認したい」

みたいな現場のルールを、そのまま画面や機能に入れられます。

使う人がシステムに慣れるのではなくて、今までやっていた仕事の流れにシステムが寄ってくるイメージですね。

僕は業務ツールを作るなら、できるだけこの状態を目指したいと思っています。

小さな会社・事務所なら、大きなシステムを作らなくてもいい

「専用システムを作る」と聞くと、

「いやいや、そんな大掛かりなものはいらないよ」

と思う人もいると思います。

僕も前はそういうイメージを持っていました。

専用システムって、何百万円とか何千万円とかかけて、半年とか1年かけて作るもの、みたいな。

もちろん、そういうシステムもあります。

でも今は、必ずしもそこまで大きく考える必要はありません。

生成AIやクラウドサービス、既存APIなんかを組み合わせれば、

「この作業だけラクにする」

という小さなWebアプリも作りやすくなっています。

むしろ小さな会社や事務所なら、最初から全部を自動化しようとしない方がいいと思っています。

いきなり、

「顧客管理も」
「経理も」
「スケジュールも」
「書類作成も」

と全部まとめようとすると、どんどん話が大きくなります。

そうなると、本当に必要なものが何なのか分からなくなってくるんですよね。

それより、

「この作業、毎週やってるけどめちゃくちゃ面倒だな」

というものを一つ選ぶ。

まずそこだけラクにする。

使ってみて、本当に便利だったら次に進む。

僕はこのくらいの進め方の方が現実的だと思っています。

毎日の「ちょっと面倒」が、実はかなり狙い目

業務改善って聞くと、ものすごく大きな課題を解決しないといけない感じがします。

でも、実際はそうでもないです。

むしろ僕が気になるのは、

小さいけど、何回も繰り返している作業

です。

例えば、

  • 同じ情報を何度も入力する
  • 毎回ほぼ同じ文章を作る
  • Excelから別のシステムにコピペする
  • 複数のファイルから必要な情報を探す
  • 毎回同じ条件でデータを仕分ける
  • AIに毎回ほぼ同じ指示を打ち込む

こういうやつです。

1回5分なら、

「まあいいか」

で済ませちゃうんですよね。

でも、それを毎日やっていたら話は別です。

しかも、こういう単純作業って地味に集中力を持っていかれます。

僕も作業していて、

「これ、人が毎回やる必要あるのかな?」

と思うことがあります。

で、こういう作業こそツール化しやすいんです。

ルールがある程度決まっていて、何度も繰り返されている。

この2つがそろっている仕事は、かなり自動化しやすいです。

市販ツールか専用ツールか、どちらかに決めなくていい

ここまで専用ツールの話をしてきましたが、

「じゃあ市販ツールは使わない方がいいの?」

というと、全然そんなことはありません。

むしろ、使えるものは普通に使った方がいいです。

僕自身もそうしています。

市販サービスですでに完成度が高くて、自分たちの業務にも合っているなら、わざわざ同じものを作る意味はありません。

ただ、

「既存ツールで全部やる」か「全部自分たちで作る」か

の二択で考えなくていいと思っています。

例えば、

会計処理そのものは市販の会計サービスを使う。

でも、その前段階のレシート整理だけ専用ツールでラクにする。

顧客管理は既存サービスを使う。

でも、毎回やっているデータ入力だけ自動化する。

みたいな使い方もできます。

僕はこの考え方が結構好きです。

既存サービスの得意なところは任せる。

自分たちの業務にどうしても合わない部分だけ作る。

専用ツールって、全部を置き換えるものというより、

既存の仕組みでは埋まらない「隙間」を埋めるもの

として考えると、かなり使いやすいと思っています。

業務に人を合わせるんじゃなくて、ツールを業務に合わせる

結局、僕が業務ツールを考えるときに一番大事にしているのは、

「最新のAIを使っているか」

でも、

「機能がどれだけ多いか」

でもありません。

実際にその仕事をしている人がラクになるかどうか。

ここです。

どれだけすごそうな機能が入っていても、最後に大量の確認や修正が必要なら、

「いや、あんまりラクになってないよね」

となります。

逆に、ものすごくシンプルなツールでも、毎日30分かかっていた仕事が5分で終わるようになったら、かなり価値があります。

まず、普段の仕事を見る。

「どこが面倒なんだろう?」

と考える。

既存サービスで解決できるなら、それを使う。

それでも残る面倒なところだけ、仕組みにする。

僕はこの順番がいいと思っています。

最初に書いたレシートの話もそうですが、僕自身「便利な機能を使えば、自動的に仕事もラクになる」と思っていた時期がありました。

でも実際は、そう単純じゃなかったんですよね。

大事なのは、

「何が自動化されているか」ではなく、「人がやらなくていい仕事が、ちゃんと減ったか」。

そこだと思っています。

小さな会社や事務所だからこそ、何でもできる大きなシステムではなく、

自分たちが毎日困っているところだけを解決する小さな専用ツール

が、思った以上にハマることがあります。

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